スポーツでよくある大腿・下腿部の肉離れについて

下腿部や大腿部においての痛みでよくあるのが「肉ばなれ」をよく聞きませんか?
陸上競技・サッカー・野球・バスケット・テニス・ラグビー・バスケット・柔道
などその他にも沢山スポーツにおいてのケガの可能性があります。
本日はスポーツでの大腿部と下腿部の「肉ばなれ」に注目してお話しさせて頂きます。
主な発生部位は?

大腿四頭筋(大体直筋・中間広筋・外側広筋・内側広筋)においての肉ばなれ
大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋・ハムストリングスにおいての肉ばなれが
多くなります。
太もものオモテとウラにある大きな筋肉の損傷で、スポーツ現場でよくあるケガです。
特に肉ばなれを起こしやすいとされているのは大腿直筋と中間広筋が比較的多いとされています(太ももの表側の筋肉です)
運動をする前にしっかり準備運動をしないで身体が暖まっていない状態で急に身体を動かしたり、思いっきり走ったりして急に起こる筋肉の伸展や収縮に耐えきれなくなり
大腿四頭筋に負荷がかかり、肉ばなれが発生し、急に走り出したときに筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れた時によく起こります。
大腿四頭筋損傷のよくある症状は?
歩くのが困難になりまともに立ち上がれなくなり、太ももに筋肉が切れたような音を自分で感じ事もあります。
膝を曲げたり伸ばしたりする事も困難になり「膝くずれ」がおきたりして強烈な痛みと
腫れが出てきます。
実際に損傷の具合が酷くなると腫れはもちろん、筋肉の損傷している患部が凹んでしまう
ことを確認出来ることがあります。
第1度(軽度)
腫れは軽いですが、そのまま放置していると症状が悪化してしまい
腫れや痛み、圧痛が急激に出てくる事があります。
第2度(中等度)
腫れや筋緊張も第1度よりも強くなります。
第3度(重度)
筋肉に陥凹部があり触ることが出来て、痛みが強い状態
筋肉の断裂を認めることもあります。
応急処置は?
基本的には【RICE処置】をしてあげるといいです。


- Rest(安静)患部を安静に無理に動かす事が無いように保つ
- Icing (冷却)患部を冷やす(ビニール袋に氷水を入れて患部を冷やす)
- Compression (圧迫)患部を圧迫します
- Elevation (挙上)患部を台などにおいて上げるようにする
を基本的にまず進めます。特に大切なのはRest(安静)
痛みがある時は歩くのもしんどい状態で、何をするのにも辛いですが
出来るだけ患部を動かさずに、患部をアイシングしてしばらくの間は安静が一番です!
ケガをしてしまった時は、無理に動こうとせずにゆっくり休んで包帯固定・三角巾などで患部を固定
してください。
ハムストリングス損傷によくある症状は?
ハムストリングス損傷は大腿四頭筋損傷とよく似ています。
大腿四頭筋は表側、ハムストリングスはウラ側にあり
大腿四頭筋の拮抗筋肉(働き方が相反する筋肉)なのでオモテとウラの筋収縮・筋弛緩のバランスが上手く動かなくなり筋損傷が発生してしまいます。
膝を曲げると大腿四頭筋(表側の筋肉)が伸ばされて反対にハムストリングス(裏側の筋肉)は収縮します
反対に膝を伸ばすと大腿四頭筋は収縮し反対にハムストリングスは伸ばされます
この動きがスムーズに働くことが出来ずに極端にどちらかの筋肉が緊張し、その間にある中間広筋にも負担がかかり、膝関節の屈曲と伸展のバランスが崩れてしまい、ハムストリングスの負担が大きくなり負担に耐えられなくなった時にハムストリングスの損傷が起こります。
大腿四頭筋の時と同じような症状になり、歩くことが困難になり、疼痛・腫れ・圧痛
もあり損傷の程度により対応が変わってきます。
応急処置
RICE処置を中心として患部の安静とアイシングを行って下さい。
ケガをしてしまってからの応急処置で今後の予後の経過が変わってきますので
適切な対応が求められます。
損傷患部の皮下出血も出てくる事がありその血腫形成を予防することが求められます。
大腿部の損傷にならないためには?
太ももの筋肉のバランスを保てるようにするには運動前にしっかり準備体操・準備運動
をする事が本当に重要です。
この準備運動やストレッチを怠るとケガのリスクが高くなってしまいます
ケガの予防のために、かるく汗をかく位に身体を動かしてから競技に取り組んで下さい。
ケガをしてからでは遅いので、ケガの予防とスポーツを楽しむためにはウォーミングアップの重要性を十分理解して頂き、しっかり身体を暖めてスポーツを楽しんでくださいね!
下腿部・ふくらはぎの肉離れ・アキレス腱損傷

下腿部・ふくらはぎの肉離れについてもスポーツの現場では多く見られます。
学生さんや社会人の部活やサークルなど、色々な場所でスポーツを楽しんでいる方は今でも年齢性別問わず沢山いらっしゃいます。
準備体操やストレッチをせずに急に全力疾走や、ゴルフ、野球、テニスなどでフルスイングをして
ふくらはぎの辺りがだんだん違和感を覚える事があります。
よく運動会の親子参加リレーでお父さんが頑張りすぎて転倒し、ふくらはぎが痛いだけならいいんですが、アキレス腱断裂の大ケガを起こすこともあります!
スポーツをする前には十分にストレッチ・体操をして下さいね。
下腿部・ふくらはぎの肉離れについてよくある症状は?
筋肉を痛めた部位の近くの限局性な圧痛・腫脹
筋肉の皮下出血など、痛みが強いため歩くのも困難で松葉杖を使用するくらい
重傷な場合もあります。
ケガされてから、1から2週間位は様子をみながら安静を保持して
痛みや腫れが引いてきたら徐々に歩いたり膝を屈伸したり、足首を動かしてみて
ゆっくりふくらはぎに負荷をかけながらならして下さい。
痛みが引いたからといって全力疾走したり無理にジャンプしたりするとまた、痛みがぶり返すので
ケガしてから目安として1ヶ月は様子をみて身体を動かすことをオススメしています。
(症状の経過については年齢や性別などの個人差はありますがあくまでも目安ですのでご理解下さい)
アキレス腱損傷・断裂もよく起こります!

剣道やバドミントン、テニス、バレーボール、スキー、サッカー、バスケットなど
急激なターンやジャンプなどを繰り返し動き回る競技に多く
ケガしたときに「バーン、バチッ、バキッ」などの音が本人は勿論、周りにいてる他の選手にも実際に聞こえるくらい音が響きます。
実際に私も、バドミントンをしている選手がアキレス腱断裂をされた場面でテーピングと包帯やさらしで固定して事がありますが、その場で倒れ込んで身体が動かすことが出来ないほどです。
通常はふくらはぎを把握すると足関節が動くんですが、それが動かなくなってしまうサインが
アキレス腱断裂を疑う1つの目安になります。(トンプソンテストと言います)
アキレス腱断裂の症状で痛みや疼き、ふくらはぎや足首にかけてのしびれなどの症状が続いて
どうしようも無い時は、お医者様にご相談した結果にもよりますが手術をする場合もありますので
注意が必要です。
練習や試合でアドレナリンが出て燃えてくるのも分かりますが、少し冷静になってストレッチ体操
練習前に軽くランニングをして身体を暖めて、しっかり身体を動かせる状態にしてから練習をしないと
思わぬトラブルに遭遇しかねません!
手術をした後にリハビリをしないと日常生活にも支障をきたしますのでアキレス腱断裂には本当に
十分注意してスポーツを楽しんでください。
まとめ
本日は大腿部・下腿部の肉離れについてのブログを読んで頂き有り難うございました。
スポーツにおける肉離れはよく起こります。
ケガをしないようにしっかり身体のケア・準備体操を怠らずに
日々の練習や試合に取り組んでください。